事業承継のセミナー講師、しました。

先日、士業の先生が開催する事業承継のセミナーで講師をさせていただきました。
今回お話したのは、「事業承継と新規事業」についてでした。

お声をかけていただくきっかけは、私自身が事業承継については後継ぎ当事者ということで、ご相談いただきました。

実際、私が自分の会社で行った新規事業の立ち上げに関する事例紹介や親族での事業承継のひとつの手段として、新規事業のアイデアをコンセプト化する話にも触れました。また、私自身が事業承継をすることに至ったのかなど、1時間ちょっと、お話させていただきました。

セミナーの様子

後半の質疑の時間で、「小さな会社だから、関係ないと思っていた」という意見や「息子がサラリーマンをしているから、無理だと思う」というご感想をお聞きすることができました。

今の社長の事業に、これまで関わったことがないのに、今更継いでくれと言えないというのです。そして、せっかく本人の希望で入った会社なのだから、親の都合でどうこうさせるのは、きっと困るだろう、と言うのです。

後継者がいないことを理由に自主廃業を選ぶ中小企業の数は、年間でおおよそ70,000社に及ぶと言われています。

今日お会いすることができた社長も、廃業を意識されている方が、多かったように感じました。

セミナー後の相談会で、ご家族でざっくばらんに「家業」についての話をしてみることをオススメしました。
例えば、サラリーマンの息子さんに、いきなり後継ぎになってくれというのは、言葉が重く受け止められることがあるかもしれません。

ただ、息子さんもサラリーマンもこのまま続けていけるのか、一抹の不安を持っているかもしれません。

サラリーマンと家業の兼業(副業的な)が、もっと気軽にできるといいのではと思っているので、会社組織から少し距離感のある場所で、家業を俯瞰してもらう、
という環境づくりから始められたらいかがでしょうかとご提案しました。

「サラリーマンだから無理無理」という方もいらっしゃいました。もちろん、向いているか向いていないかの判断は大切です。でも、サラリーマンだからという理由で、会話をすることすら諦めてしまうことは、もったいないと思います。

日本の中小企業を中心としたファミリービジネスは、多様性の時代を迎える。
そんな夜明け前な予感を感じるひとときでした。

来年は、事業相談会など私発信のイベントも企画したいと思っています。